後日重要事項補足予定

著=森田 紳平

80mmオーバーの国産オオクワガタを羽化させるプロジェクトの開始です。既に下記にお気に入りの飼育用品を記しましたが、今回は「単なるお気に入り」ではなく、「確実に80mmオーバーを狙う」ために必要なアイテムを紹介しますネ。はじめに成虫の入手、繁殖からのスタート、そして次に幼虫入手からのスタートの場合について説明します。

【タネ親入手編】

・タネ親の入手
 まずは、超大型血統を狙えるタネ親(勿論、新成虫)の入手が最優先事項です。80mmオーバーが多数羽化する系統は何人かの方が固定されているようですが、やはり信用できる方から、♂77mm以上、♀50mm以上の十分成熟したタネ親を譲ってもらいましょう。「形状は♂親譲り、サイズは♀親譲り」これがベストの選択です。

・成虫飼育に必要なアイテム
 ペアリングに始まり、初令幼虫で取り出して菌糸ビンに投入するまでに必要な飼育用品を以下に列挙します。

 @飼育容器:コバエシャッター小・中

 A飼育マット:川口商店「クワガタマット」「特選ヒラタ・オオクワ幼虫用マット」

 Bゼリー:バリバリゼリー(ザ・オオクワ)、max20ワイドカップ(ミタニ)

 Cエサ皿:マルカン製

 D産卵木:堅めの特上材(山崎オオクワ等)

私の場合は、前年度の夏に羽化した♂77mm以上、♀50mm以上のタネ親(新成虫)を準備して、通常は以下のような飼育環境を作ります。

・コバエシャッター小ケースに特選マットを約4cm敷き詰め、エサ皿を置いて上にmax20ワイドカップまたはバリバリ・ゼリーを半カットしたものを置きます。そして、この飼育ケースにまず♂のみを放して一晩、この環境に慣れさせます。そして翌日、♀をこのケースに放して仲良くしているかどうかを2、3日、観察します。(勿論、夜の活動の観察です)。何も問題が無ければ、約2週間、同居させた後、♀のみを以下の要領でセットした産卵ケースに放します。

・産卵ケースのセット
 直径約10cmの特上・椎茸ホダ木(出来れば芯が無く堅め)を半日水に浸漬し、一日、天日乾燥したものを2本用意する。コバエシャッター中ケースに特選マットを約2cm敷き詰め、その上に上記産卵木を2本横に並べ、産卵木が埋まるまで特選マットを加える。その中に上記ゼリーを2個分、マット上に直接置いて、♀を放す。その後、定期的に観察を行ない、エサが無くなったら補充する形で約1ヶ月半、様子を見る。大抵の場合は、上記「産卵木」が約1ヶ月半で外形をとどめた上で穴ぼこだらけになり、ケースを下から覗くと初令幼虫が「コンニチハ!!」しているのが観察される。その後、暫く様子を見た上で「底の浅い50cm×30cm位の衣装ケース」と「スプーン」「ハサミ」「菌糸ビン」を用意して初令幼虫を菌糸ビンに入れる作業を行なう。

・初令幼虫の取り出し(および菌糸ビン入れ)
 ギネス・クラスの♂個体の羽化までに必要な菌糸ビンの数は通常3〜4本ですが、1〜2本目の飼育に適した菌糸ビンの種類は、私の過去10年以上の菌糸ビン飼育経験から「MG(マジカル・ギネス)1100t」(グローバル大阪製)が最適です。産卵ケース1ケース当たり菌糸ビンを約50本用意して初令幼虫の取り出しに臨みましょう。まず衣装ケースのフタを外し、その中でフタを外した産卵ケースを逆さにして、外から見える初令幼虫への衝撃を最小限にして中の産卵木、マットを衣装ケース内に取り出す。予め菌糸ビンの中央に開いた穴の菌糸皮膜をハサミでクルッと奥まで剥がして、その穴に幼虫の糞を少し入れて準備しておく。まず最初に、マット中の幼虫を注意深く探してスプーンに乗せて穴の中に落とし込む。次に産卵木を注意深く手で崩していき、マット中と同様にスプーンに初令幼虫を乗せて菌糸ビンの穴に落としこむ。この時に用いる「スプーン」は、マジカル・ギネス1100tを用いる場合は、次の「菌糸ビン交換」作業の事も考えて、少し長めの柄の付いた「25cm以上のスパテル」を用いるのがお勧めです。特に「マジカル・ギネス」のホームページで紹介されている(またはドルビーインセクト様で販売の「樹脂製・取っ手付きスパテル」(1900円)が絶対のお勧めです。

【初令幼虫購入編】

・菌糸ビン入り「初令幼虫」の購入
 さて、上記の産卵セットでの初令幼虫の取り出しが困難な方にとっては、既にマジカル・ギネス1100t(または800t)入りの初令幼虫3頭セットの購入がお勧めです。この場合、先にも述べたように、信頼の置ける方から♂77mm以上、♀50mm以上の子供の入った菌糸ビン(マジカル・ギネス1100t)の購入がベストです。

【3令幼虫飼育編】

以下は、成虫飼育からスタートした方、初令幼虫購入からスタートした方、共通です

・第一の関門
 初令幼虫投入後、約3ヶ月経過すると、菌糸ビンの概観も変化し、白い皮膜が減少し、代わって幼虫の糞、オガ粉の褐色の地肌が半分以上見えた段階で、新しい菌糸ビンへの交換をお勧めします。マジカル・ギネスの場合は、初令投入後、そのまま放置しておいても無事に羽化してきますが、やはり♂平均65mm(最大73mm程度)、♀平均44mm(最大48mm程度)と小型〜中型となります。これに対して、1回目の菌糸ビン交換を経て(平均体重:♂23g、♀10g)、♂は同様に1100t、♀は800tに入れて放置すると♂75mm〜、♀46mm〜と大型個体が羽化してきます。

・第二の関門
♀の場合は50mmオーバーの個体を狙わない限りは2本目での放置で十分なのですが、♂の場合はやはり「80mmオーバー」が目標ですので、少し気を遣います。このまま3本目もマジカル1100tに入れても採集ギネスサイズの77mmオーバーは狙えます。♂77mmがコンスタントに羽化するようになれば80mmの出現も間近です。しかし、やはり80mmを超える個体を羽化不全なく無事に羽化させるにはそれなりの工夫が必要です。この最後の関門、「80mmオーバー」を狙って無事に羽化させるテクニックについては、機会を改めて。まずは、上記♂77mmオーバーをコンスタントに羽化させて下さいネ。

・私の現在の飼育用品を全て公開します!!
 最近、愛好家の皆様から「どのような飼育用品を使っておられますか?」という質問を良く受けます。業界全体を見渡すと、本当に至れり尽せりのクワガタ飼育用品が専門店で販売されており、多くのサイトにおいても「諸先輩方々のお勧め」の飼育用品が掲載されていますので、私が申し上げるまでのことは無いと思っているのですが、もし、参考にしていただけるようでしたら、と思って敢えて公開することにしました。この中には、今後の有望商品も含まれています。個人の好み(趣味?)も当然含まれていますので、本当に参考程度ですが、ひょっとしたら新たな発見があるかもしれません。愛好家の皆様が安心してクワガタ・ライフを楽しんでいただけるためのコーナーにしていきたいと思います。なお、合わせて「私が使っている本当に良いと思うモノ」に関しましても、昆虫用品に限らず、生活必需品を含めて、今後は「一つのコーナー」として取り上げていきたいと思っています。乞うご期待下さい。なお、好みは否定出来ないものの、私は本当に良いものを皆様にお伝えしたいと思っています。下記の商品につきましても、客観性は失っていないつもりです。)

 

【私の使っているオオクワガタ飼育用品】 

 ・産卵木 「なら、クヌギ混在」(川口商会、テクニカルアート、むし社、その他)

 

 ・産卵用成虫飼育マット 「クヌギ微粒子(クワガタ)マット50・入り」(川口商会)

 

 ・成虫(管理)用飼育マット 「ダニ取りマット」(かぶと・くわがたの郷)

 

 (菌糸ビンは、もちろんマジカル・ギネスが絶対にお勧めです!!)

 

・飼育ケース 「コバエ・シャッター」ミニ、小、中ケース(購入先:マジカル・ギネスHP)

 

 ・ゼリー 「MAXワイドカップ」(ミタニ:購入先はマジカル・ギネスHP) 

 「バリバリゼリー16g」(ザ・オオクワ:購入先はマジカル・ギネスHP)

 

 ・個体管理シール (購入先:マジカル・ギネスHP)

 

 ・カラーシール (購入先:マジカル・ギネスHP) 

 

後は愛情一本! 一緒に頑張りましょう。